先日若い雄鹿を獲りました
一括りに野生の獣というと、どの個体も逞しく、力強く生きているように思えますが
やはりそれそれ一頭ずつに住んでいる環境との相性や健康度など様々だなと毎度思わされます
健康な鹿だなとか、ちょっと太り気味だとか、痩せている、健康状態が悪いなどなど様々
もちろん原因は多々あって鹿にも縄張りがあり
それなりの社会があると僕は思うのでその上下関係であったり
生まれ持った体の強い弱いであったり多岐に渡ると思いますが
良い鹿を見分ける一つの特徴として
鹿自身の持つ匂いという物があると思います
元気で、健康な鹿は匂いで良くわかります
野生動物はなぜか、臭いというイメージを持たれがちな気がしますが
良い個体は、お日様の匂いとでも言いましょうか
落ち葉の乾いたような、干し草のような、日なびた匂いです
なんと言い表せばいいのでしょうかいい匂いというのは、色々あると思います
一つに、香りを目的として、造られた匂い
香ばしく入られたコーヒー豆や
甘いお菓子の匂い、食欲をそそる料理の匂いなど、香りを出すことで心を躍らせる匂いなど
嗅ぐだけで嬉しくなってしまうあれです
それとは別で
そこに在る匂いとでも言うのでしょうか
その匂いを出そうとしか訳ではなく、良いものを食べ、逞しく、健康に生きた結果
生まれた匂い
言い表すにはとても抽象的で、複雑ですが
心の奥底をくすぐる、はるか昔から知っているような気もする
落ち着いた匂いがします
そういった鹿は
朝、罠に見回りに行った時点で良い鹿が獲れたなと
ありがたさと嬉しさが混ざった感情になります
先日獲った雄鹿も良い匂いでした
丹念にお肉にしたいと思います